平塚市では平成29年4月から平塚市子育て世代包括支援センター「ひらつかネウボラルームはぐくみ」を開設し、全ての妊婦に対し保健師・助産師らが面談を実施しています。
面談の結果、「食事は1日1〜2食」「主食・主菜・野菜といった献立のイメージが分からない」というような、葉酸を含めた栄養の摂り方に課題を抱えている妊婦が多いことがわかりました。
そこで平塚市は平成30年10月に「ひらつかはぐくみ葉酸プロジェクト」を発足させ、市内産科施設、薬剤師会、民間企業の協力を得ながら、イベントや市のウェブなどで葉酸摂取の重要性を発信しています。
プロジェクトは、「誰一人取り残さない葉酸ケア」を目指し、次の1~4で構成されています。
市内産婦の妊娠前から妊娠中の葉酸サプリの摂取率調査を2回実施しました。
第1回目調査:平成30年8月~令和元年7月に乳児全戸訪問した母(n=1,053)
第2回目調査:令和2年4月1日~令和3年3月30日に出産した母(n=1,509)
1)妊娠前からの摂取率 第1回目調査:26.7%、第2回目調査:24.2%
2)妊娠判明後からの摂取率 第1回目調査:48.3%、第2回目調査:56.0%
3)摂取無し 第1回目調査:25%、第2回目調査:19.8%
葉酸サプリ配布に関する考察
母子健康手帳交付時での配布により、摂取率を向上させることができました。実物を手にすることで、その妊婦の葉酸に対する知識・意識・行動を把握し、その状況に合わせて具体的に指導することが摂取率向上に向けて非常に有効です。なお、葉酸サプリの配布を開始してから、本市では二分脊椎症は発生していません。
本プロジェクトは、令和2年度のかながわ国際交流財団のモデル事業に採択され、葉酸の必要性を5言語(英語・中国語・スペイン語・ポルトガル語・ベトナム語)に翻訳し、そのチラシを母子健康手帳交付時に配布し、外国人住民向けにもわかりやすく丁寧に情報提供しています。
葉酸の働き
二分脊椎症の予防
低出生体重児・早産・自閉症スペクトラム障害のリスク低減
産後うつのリスク低減
心筋梗塞や脳卒中、認知症のリスク低減
葉酸が多く含まれる食品